
10月10日は『転倒予防の日』だそうです。
病院で勤めていた私からすると、
転倒は寝たきりになる可能性がありどうにか予防できることなら絶対に予防したい事柄です。
様々な個人や団体で取り組んでいる課題でもあります。
転倒死亡者数と転倒場所
高齢者の転倒・転落による死亡者数は令和元年で『8,774人』で、交通事故は『2,508人』。
転倒事故が交通事故の3倍以上の死亡要因になっています。
転倒場所で多いのが自宅内です。
転倒の原因は
①加齢
②薬の影響
③運動不足と言われています。
これは、皆さんの想像通りではないでしょうか?想像していても対策できていないのが現状なのです。
家族はいつまでも元気でいると思う方がほとんどで、転倒などが実際起こってからでないと対策を練ることはありません。
要介護認定率は、年齢が上がるにつれ上昇しています。特に、85歳以上で上昇。
85歳以上の要介護認定率は58.2%です。
85歳以上であれば2人に1人は最低でも、食事などの身の回りのことはできるが、部分的に介護が必要な状態となっています。❇︎介護保険制度の概要 令和7年7月 厚生労働省老健局より
つまり、85歳以上となるとその人の背景は関係なく、転倒しやすい状態となっているのです。そして、上記の①加齢、②薬の問題、③運動不足は長年積み重ねたものであり、どうすることもできない部分も多くあります。
転倒の原因への直接的なアプローチが難しいからと、対策を取らない事がどれだけ高齢者にとって危険に置かれた状態かお分かりいただけたと思います。
転倒場所と転倒原因

自宅内で転倒が多い場所は
『居間』・『寝室』・『玄関』・『階段』・『廊下』、『浴室』です。
『居間』はカーペットやコードなど動線の足元に予期せぬ何かがあると転倒します。
『玄関』は上がり框による段差を起因とした環境が原因。
『階段』は高齢になると全く使わなくなる人が大勢います。2階にはもう上がりません。部屋の間の段差は転倒の原因となります。
『廊下』は足元に予期せぬ何かがあった場合や方向転換時に転倒します。
『浴室』は水に起因した転倒。
『寝室』はベッドからの転落や立ち上がる際に転倒することが多くあります。
高齢の方は寝室にいる時間が増える

高齢になると、ベッド周りで生活をするようになる人が多く、ほとんどの時間をテレビを見て過ごす方が多くなります。
寝室での転落・転倒予防をするには、
『ベッドを電動ベッドに変更』
これはベッドの高さを高く調整できることにより立ち上がりを楽にすることができます。寝ていてベッドから落ちてしまう人には高さを低くすることもできます。要介護2の認定を受けた方はレンタルも可能。
『ベッド柵』・『ベッド柵をL字のベッド柵に変更』
これも、ベッドからの立ち上がり、ベッドからの転落防止が目的です。
さらに、ベッドの配置を変更する方法もあります。
『ベッドの配置を壁側に寄せる』。落ちないようにベッドを壁に寄せることもあります。
ベッドを変更した後は、立ち上がりの足元を工夫します。
『ベッド周りの環境を整える』。足元にすべり止めマットを使います。
100均のすべり止めマット
ベッドからの立ち上がりへの転倒予防の導入として良く使われる『100均のすべり止めマット』を紹介します。
徳島県にある100均の店舗『DAISO』『セリア』『キャンドゥ』では、どの店舗に行ってもすべり止めマットがあるようです。
調べたことはありませんでしたが、今回色々調べてみると店の商品には差があるようです。
『1番大きいもの』は
DAISOの『ピタッと止まる!すべり止めシート 抗菌タイプ』が45㎝×150㎝
家の近くのDAISOでは見つかりませんでした。
DAISOのネットストアで確認すると販売しているようです。買いに行くのが面倒だったり、店が広くてどこにあるか探せない人はネットストアでの購入をおすすめします。
実際あった物を紹介します。
30㎝×100㎝


45㎝×80㎝


すべり止めシートを使っているとどうしても掃除が大変になる印象です。
すべり止めのデメリットとして挙げられるのが、ほこりが付着すると掃除機で吸い込みにくいことです。さらに、掃除機で吸い込むことによりシートの端がめくれてしまったり、シワになったりして、むしろ転倒のリスクが増す場合があります。
すべり止めシートで立ち上がりがしやすいことを確認後は、その上にマットを置くことをおすすめします。
『1番滑らないもの』は
セリアの『スベリ止めシート薄手タイプ』 30cm×150cm
このサイズを置くのではなく、立ち上がる時の足元だけにあれば良いので、必要な大きさにカットして下さい。足元が滑らないことにより立ち上がりやすい人におすすめです。
まとめ
転倒の死亡者数は交通事故より多い。
転倒は自宅が6割。
原因は加齢によるもの。
転倒場所やシチュエーションは限られている。
過ごす時間が多い寝室の足元には『すべり止めマット』が必要。
100均の商品で試してみることが有用であるが、商品には特徴がある。
『大きいすべり止めマットが必要な場合はDAISO』
『すべらないマットが欲しい場合はセリア』で購入できる。
最後に、寝室以外にも玄関や浴室でもすべり止めマットは有用です。椅子の座布団が滑る時にも使えますし、テーブルの花瓶など使えるものは多くあります。個人個人で他にも使えるアイデアがあると思います。
転倒予防できる商品を知っていることで生活の質が変わりますので、是非店に行っていろんな商品を知ってください。
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