バイタルサインについて
発熱時、重症化のリスクを判断するための重要な目安が『バイタルサイン』です。
バイタルサインとは体温、脈拍、呼吸、血圧の4つを基本とした、
生命活動の基本的な指標のことです。発熱があった場合、この4つを基本に判断していきます。
バイタルサインの正常値
体温:腋の下で37度以上
脈拍:50〜60回/分
呼吸:15〜20回
血圧:110〜130/60〜90mmHg
バイタルサインの正常値は重要です。
それに加えて重要なことは普段のバイタルサインとの比較が重要になります。
肺炎の場合
体温:腋の下で37度以上
呼吸:26回以上
肺炎の可能性が高い状態です
重度感染性症の場合(qSOFAスコア)
qSOFA(クイック・セクエンシャル・オーガン・フェイルア・アセスメント)スコア
①呼吸:22回以上
②血圧:上の血圧が100以下mmHg
バイタルサインに加えて③意識レベルの低下
感染症が疑われる場合、この3つのうち2つ以上で重症感染症の可能性が高いです。
高齢の家族の発熱対処方法
「熱があるけどちょっとだけ。まぁ大丈夫かな」
しかしながら、微熱なので軽症という判断は危険な場合があります。
例えば、夜間に
体温:37.5℃
血圧:130/80mmhg
脈拍:88回/分
SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度): 96%
呼吸音清明
痰がらみなし
解熱剤で一旦様子を見ました。
その後に高熱と呼吸苦で救急搬送、重症肺炎の診断で入院したケースがあります。
熱が出た時に順番に確認してください
熱がある
qSOFAを確認
①収縮期血圧:100mmHg以下
②呼吸数:22回/分以上
③意識レベル低下
3項目中2項目以上で重症感染症の可能性が高い。
↓
さらに全身状態を念入りに観察する
経口摂取、排泄
日常生活動作の変化(失禁や転倒、ベッドから起きてこない、リハビリを嫌がるなど)
症状の経過
↓
熱源を探す
上気道炎(風邪)や胃腸炎など、ウィルス性の感染症
身近な人に同様の症状は無かったか?
↓
肺炎
呼吸数26回/分以上
咳・痰(ないこともある)
SpO2低下
↓
尿路感染
頻尿
尿の変化
腰背部殴打痛 尿道カテーテルの有無
↓
皮膚や筋肉の感染(蜂窩織炎など)
局所の発赤・腫脹・熱感・疼痛
褥瘡があれば周囲の発赤や痛みの増強を確認
↓
過去に繰り返したものは再発しやすい
↓
人工物の入っている箇所は、感染しやすい
尿道カテーテル
胆道カテーテル
↓
危険な感染を常に頭におく
訪問看護の方は医師に往診に来るまでに、できればしておきたいこと
検査・治療に関する「本人・家族の希望」の意向を確認
①患者の安楽な体勢を探す(枕・布団などのを使用、更衣の補助、排痰タッピング)
②指示があれば培養採取(尿・痰など)・採血など
③患者・家族の希望事項や不安の内容の聴取
④熱苦痛があればクーリング
まとめ
普段からバイタルサインを確認しておくことで危険な発熱を見逃さないようにできます。
肺炎や重度感染症の疑われる数値も家庭内で確認できますので参考にしてみてください。


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