寝たきりの方のマットについて【エアマット】

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介護用マットレスの種類と選び方について

  • 特殊寝台付属用品マットレス:褥瘡リスクが低く、比較的自由に動ける方向けのマットレスです。高反発で、動きを妨げないように設計されています。
  • 静止型マットレス:褥瘡予防を目的としており、特殊寝台よりも厚みがあり柔らかい素材が使われています。体圧を分散させて褥瘡を予防します。
  • エアマットレス:空気を出し入れして圧力を分散させる、除圧効果が最も高いマットレスです。自動で圧力を切り替えることで、特定の部分に圧力が集中するのを防ぎます。

今回はエアマットレスについて調べました

圧切替型エアマットレスは、主に寝たきりの方や自力での体位変換が難しい方の褥瘡(床ずれ)予防を目的とした医療・介護用具です。マットレス内部の空気の出し入れを自動で制御し、体圧を分散させるのが特徴です。

仕組みと原理

圧切替型エアマットレスの基本的な仕組みは、複数の空気の筒(エアセル)が交互に膨張・収縮を繰り返すことです。これにより、身体の特定の部位に継続的に圧力がかかるのを防ぎ、圧迫を解放する時間を作り出します。

  • 交互圧切替: 身体を支えるエアセルのグループが、一定時間ごとに膨らんだりしぼんだりします。例えば、Aグループが膨らんでいる間にBグループはしぼみ、次にBグループが膨らんでAグループがしぼむ、といった動きを繰り返します。
  • 体圧分散: エアセルが膨張・収縮を繰り返すことで、一か所に集中する圧力を分散させ、局所の血流を回復させる効果が期待できます。
  • 体重に合わせた自動調整: 最新のモデルでは、圧力センサーを内蔵しており、使用者の体重や体型に合わせて最適な空気圧を自動で調整する機能も備わっています。

効果

圧切替型エアマットレスを使用することで、以下のような効果が期待できます。

  • 褥瘡(床ずれ)の予防: 圧迫を定期的に解放することで、褥瘡発生の主要な原因である「圧迫」を軽減します。
  • 介助者の負担軽減: 自力で寝返りができない方の体位変換を自動で行う機能(自動体位変換機能)を持つ製品もあり、介護者の負担を大きく減らすことができます。
  • 通気性・湿潤対策: マットレス内の空気の流れを作り出すことで、寝床内の湿気を軽減し、蒸れによる皮膚トラブルのリスクを低減します。

種類と選び方

圧切替型エアマットレスには、いくつかの種類があり、使用者の状態や目的に応じて選ぶことが重要です。

  • 二層式・三層式: エアセルの構造によって、二層式や三層式などの種類があります。それぞれ除圧性能や安定感に違いがあり、使用者の体格やリスクに合わせて選択されます。
  • ハイブリッドタイプ: エアセルとウレタンフォームを組み合わせたタイプです。エアマットレス特有の「ふわふわ感」を抑え、安定性を高めているため、寝心地を重視する場合や、ベッド上でのリハビリなどを行う場合に適しています。
  • 機能: 自動体位変換機能、停電時の安全機能(空気を保持する機能)、寝床内の湿気を換気する機能など、製品によって様々な機能が付加されています。

注意点: 圧切替型エアマットレスは、非常に効果的な褥瘡予防用具ですが、製品によっては不安定感や、動きやすさへの影響が生じる場合があります。また、使用者の状態やベッドでの過ごし方(背上げの頻度など)に合わせて適切なモデルを選ぶことが大切です。専門家(医師や理学療法士、福祉用具専門相談員など)に相談して選定することをおすすめします。

脊髄損傷の方にマットについて説明しています。

主な内容は以下の通りです。

  • 特殊寝台付属品(特殊寝台): [01:44]。
  • 静止型マットレス:[04:41]。
  • エアマットレス:[07:02]。

動画では、マットレス選びのポイントとして、まず褥瘡の原因(圧力、ずれ力(剪断力)など)を特定し、それに適したマットレスを選ぶことが重要だと強調しています [09:11]。

また、マットレスの専門知識を持つ業者と連携して選ぶことが推奨されています [22:14]。

エアマットの電気代は1日5円程度。

エアマットレスの傾きについて

オスカー:さまざまな身体状況の利用者様へのケアに最適な特性で対応する、人の手で行うような優しい自動体位変換機能を備えた高機能エアマットレス

ラグーナ:この製品の最大の特徴は、独自の「スモールチェンジ」機能です。これは、骨盤を中心に対角線上に小さな体位変換を約15分間隔で自動で行うシステムです。

ラグーナを使っている方によると、

汗をかきやすいので背中をチェックすると少し湿っているようです。マットの上のシーツについてはこの後紹介します。

ここちあ利楽flow:パラマウントベッドの「ここちあ 利楽flow」は、AI技術を搭載した全自動運転の高性能エアマットレスです。特に、利用者の体形や動き、ベッドの角度に合わせて、マットレスが自律的に最適な状態に調整する点が大きな特徴です。

スコープ(SCOPE):は、株式会社モルテンが製造・販売している介護用のエアマットレスです。特に、高い除圧効果と安定性を両立させることを目指して開発された製品です。

徳島の取り扱い店に問い合わせた結果

オスカー:体位交換の角度が選べる 厚さ17cm 販売開始10年前

ラグーナ:体位交換の角度が低く角度は選べない 厚さ13.5cm

ここちあ利楽フロー:角度は選べない 厚み17cm

スコープライト:比較的新しい商品 厚み17cm

値段の比較

各製品の購入金額は、メーカー希望小売価格、販売店、サイズ、モデルタイプ(ハイブリッドタイプかエアタイプかなど)によって大きく異なります。また、これらの製品の多くは介護保険の対象であり、レンタルで利用されることが一般的です。

以下に、いくつかのオンラインストアや販売店で確認できたおおよその目安価格をまとめました。

1. オスカー

  • 販売価格(目安): 129,350円~234,740円
  • レンタル: 介護保険適用で、自己負担額が月額900円程度。

2. スモールチェンジ ラグーナ

  • 販売価格(目安): 208,000円~248,000円(非課税)
  • レンタル: 介護保険適用で、自己負担額が月額900円程度。

3. ここちあ 利楽flow

  • 販売価格(目安): 160,000円~286,000円(非課税)
  • レンタル: 介護保険適用で、自己負担額が月額900円程度。

4. スコープ(SCOPE)

  • 販売価格(目安): 143,000円~358,500円
  • レンタル: 介護保険適用で、自己負担額が月額2,000円程度 。

購入時の注意点

  • 価格変動: 上記の金額はあくまで目安です。販売店や時期によって変動しますので、購入やレンタルの際は、必ず複数の事業者に見積もりを取ることをお勧めします。
  • 非課税: 介護用ベッドやマットレスは、特定の条件を満たす場合、非課税となることがあります。
  • 介護保険: 介護保険を利用してレンタルする場合、要介護度によって利用できる福祉用具の種類や負担額が異なります。詳しくは、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に確認してください。

エアマットと体の間にバスタオルはだめ!!「ハンモック現象」

  • ハンモック現象とは、シーツをピンと張りすぎると、体の沈みが浅くなり、骨の突き出た部分への圧力が集中してしまう現象です。
  • この圧力が褥瘡(床ずれ)の原因となり、治療を難しくします。
  • 予防のためには、シーツに適度な緩みを持たせて敷くことが重要です。目安は、マットレスの中央部分に拳を当てた時に、中央に向かってシワが寄る程度です。

バスタオルとマットレス内圧

  • シーツの上にバスタオルを敷くのは、マットレスの体圧分散機能を妨げ、圧力を高めてしまうため推奨されません
  • マットレス本来の役割は、適切な圧力で体を深く沈ませ、接触面積を広げることで圧力を分散させることです。
  • マットレスの内圧が高すぎると、体が十分に沈まずに圧力が集中します。逆に内圧が低すぎると、「底つき現象」が起こり、これもまた問題となります。

底つき現象」とは、マットレスや敷布団などの寝具のクッション性が不十分なために、体の重みが支えきれず、体の骨が突出している部分(仙骨部や肩甲骨、かかとなど)が、寝具を通り越して、ベッドの床板や床の硬さを直接感じてしまう状態のことです。

褥瘡予防のためには、シーツの張り具合や、バスタオルなどの使用を見直し、マットレスの適切な内圧を保つことが大切です。まずは、マットレスやシーツの状態、そして使用している方の状態を観察することから始めるのが良いでしょう。

タオルではない素材

吸湿性と伸張性(伸縮性)を両立する素材は、様々な分野で研究・開発されています。それぞれの特性を持つ繊維を組み合わせたり、特殊な加工を施したりすることで、これらの機能を両立させています。

代表的な素材と組み合わせ

1. 天然繊維(綿・麻・ウールなど)とポリウレタンの組み合わせ

  • 天然繊維のメリット:
    • 高い吸湿性・通気性。
    • 肌触りが良い。
  • ポリウレタンのメリット:
    • 非常に高い伸縮性(ゴムのような伸び)。
  • 組み合わせの例:
    • 綿や麻などの天然繊維に、数%のポリウレタンを混紡(混ぜて紡ぐこと)することで、天然繊維の吸湿性を保ちながら、ストレッチ性を持たせることができます。

2. ニット生地

  • メリット:
    • 織物ではなく編物(ニット)にすることで、繊維自体の伸縮性が低くても、生地の構造として伸張性を持たせることができます。
    • 吸湿性の高い綿やレーヨンをニットにすることで、柔らかく、伸びがあり、かつ汗を吸いやすい生地になります。

3. 特殊な化学繊維

  • 吸湿発散性を持つポリエステルやナイロン:
    • ポリエステルやナイロンは本来、吸湿性が低い(疎水性)という欠点がありますが、繊維の表面に特殊な加工を施したり、毛細管現象を応用した構造にしたりすることで、汗を素早く吸い上げ、表面に拡散させて蒸発させる機能(吸湿発散性・吸水速乾性)を持たせています。
    • これらの繊維にポリウレタンを混紡することで、高い伸縮性と吸湿発散性を両立させ、スポーツウェアや高機能インナーに広く利用されています。

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