令和7年7月。クーラーをつけて下さいと、高齢者にテレビで呼びかけることを何度も見る様になりました。しかしながら、クーラー付けている人でも脱水症のチェックをすれば、脱水症のチェックであるツルゴール反応✳︎が陽性になるのです!!
私が訪問リハビリで関わる、90歳以上の人6人調べて6人陽性!!!
クーラーを高齢者につけてもらうことに加えて、水分補給を同時に行うことが重要なのです!!!!
✳︎ツルゴール反応:手の甲をつまんで離した時に2秒以上皮膚が元の状態に戻らない
という評価方法があります。
脱水症の症状のチェックは他に
①口腔内が乾燥している
②脇に汗をかいていない
などあわせてチェックしてみて下さい。
脱水症は熱中症の主要な要因の1つです。
あれ、脱水症と熱中症って何が違うのでしたっけ?
熱中症と脱水症の違い
熱中症と脱水症の主な違い
- 原因:
- 熱中症: 高温多湿な環境下で体温調節機能が働かなくなること
- 脱水症: 水分と塩分の不足
- 症状:
- 熱中症: めまい、立ちくらみ、吐き気、倦怠感、意識障害、けいれんなど
- 脱水症: 口の渇き、体のだるさ、立ちくらみ、皮膚や口唇の乾燥、食欲不振など
- 重症度:
- 熱中症:
軽度から重度まで幅広く、重症化すると意識障害やけいれん、高体温などを引き起こし、生命に関わる場合もある - 脱水症:
軽度から重度まであり、重症化すると血圧低下、頻脈、意識障害などを引き起こす
- 熱中症:
- 体温:
- 熱中症: 体温が上昇する
- 脱水症: 体温が平熱の場合もあれば、微熱が出る場合もある
熱中症の症状例:
- 軽度: めまい、立ちくらみ、筋肉痛、筋肉の痙攣、吐き気、倦怠感など
- 中等度: 頭痛、吐き気、嘔吐、脱力感など
- 重度: 高体温、意識障害、全身のけいれん、死に至る場合もある
脱水症の症状例:
- 軽度: 口の渇き、体のだるさ、立ちくらみ、皮膚や口唇の乾燥など
- 中等度: 食欲不振、脱力感、血圧低下、頻脈など
- 重度: 意識障害、血圧低下、頻脈、ショック状態など
熱中症と脱水症の関連性:
脱水状態になると体温調節機能が低下し、熱中症になりやすくなる
→脱水症が進行で熱中症の症状である高体温や意識障害などを引き起こすこともある。
まとめ:
熱中症と脱水症は、どちらも高温環境で起こりやすい症状ですが、原因と症状が異なります。脱水症は水分と塩分の不足が原因で、
熱中症は体温調節機能の障害が原因です。
脱水症は、体液が不足した状態全般を指し、
熱中症は、高温多湿な環境で体温調節機能がうまく働かなくなり、体温が上昇することで起こる健康障害の総称です。
脱水症は中等度の症状に食欲不振があり、さらに食事による水分摂取も困難で悪循環となってしまいます。
脱水症に必要な水分量は1.2ℓ
1日に必要な水分は合計で2.5ℓ。
このうち食事以外は1.2ℓ必要です。
200mlのコップは以下の大きさで6杯飲む必要があります。午前3杯、午後3杯です。

これって本当に実行している人はどの程度いるでしょうか?
中高年の方でもこんなに飲んでない人はいないのでは?
高齢者に水分摂取を促しても喉が渇きにくいのですから飲まないのは理解できます。
「飲んでない日はいけてるのだからなんで飲まないといけないのか?」と言われる始末です。
まとめ
高齢者、特に90歳以上ではクーラーをつけていても脱水症の疑いがある人が多い。
脱水症で食欲不振の症状まであると、さらに脱水になる悪循環となる。
高齢者にクーラーをすすめるだけでなく、1日に1.2ℓの水分摂取が必要。
高齢者に水分摂取をすすめるのは容易ではなく、個別性も高い。そのため、水分が飲めない高齢者に直接どうやったら水分が飲めるのか一緒に考えてもらうことにした。
以後、アンケートを実施し、結果を追記したい。
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