
悲しいかな、歳を重ねると膝が痛くなってくるものです。加齢現象を止める方法はありません。
加齢によって傷んだ膝に対して時間を逆行して治療することはできませんよね。
ではどうするか。
40代からの膝の痛み『変形性膝関節症』と言われたら
結論から言うと、変形性膝関節症はほとんどの場合が膝関節の使い痛めです。
想像してください。
膝の軟骨を消しゴムとするなら、どういった時に削れてしまうでしょうか?
①力を入れて擦った時
②何度も使った時
①力を入れて擦らない つまり、『使わないようにする』
- 太らない
- 体重をかけない(立っている時間を減らす)
- サポーターを使う
- 杖を使う(痛い膝の反対側)


②何度も使わない『膝の負担を減らす』
- 太腿前面の筋力をつける
- お尻の筋力をつける
- 太腿後面とふくらはぎのストレッチをする
- 減量する
この記事を見る方は、現在膝が痛い人と思いますので膝の状態をチェックしていきましょう。
まずは痛みの初期症状チェック
□立ち上がる時に膝が痛い
□歩き始めに膝が痛い
□少し休むと、上記の膝の痛みは無くなる
これらが当てはまる場合、膝からの初期のサインかもしれません。
□正座ができない
□階段がつらい
これらが当てはまる場合、症状が中期に進んでいるかもしれません。
□じっとしていても膝の痛みがひかない
□膝の変形が目立つ
□膝がピンと伸びなくなり、歩くのが難しい
これらに当てはまる場合、症状がかなり進行している可能性があります。
関節の病気で最も多いのが「変形性関節症」です。これは、40〜50代くらいから発症し始めることが多く、80歳になる頃には、ほとんどの人が何らかの形で経験すると言われています。
性別や年代で傾向があります
- 40歳未満では、女性よりも男性に多く見られ、ケガや体の変形が原因で発症することが少なくありません。
- 40代でX線検査をすると、半数以上の人が変形性関節症の兆候があると言われますが、実際に痛みなどの症状を感じるのはそのうちの半分ほどです。
- 40〜70代では、男性よりも女性に多く発症します。
- そして、70歳を過ぎると男女差はほとんどなくなります。
特に、女性に多いのが特徴で、男性の約4倍の罹患率と言われています。年齢が上がるほど、この病気になる確率は高くなる傾向があります。
主な症状は、膝の痛みと水がたまること
- 初期の段階では、立ち上がる時や歩き始めなど、動作の開始時にだけ痛むことがほとんどです。少し休むと痛みは引くので、「気のせいかな?」と思ってしまうことも。
- しかし、症状が進むと、「正座がしづらい」「階段の上り下りがつらい」といった中期症状が出てきます。
- さらに進行して末期になると、じっとしていても痛みが引かなかったり、膝の変形が目立ったり、膝がしっかり伸びなくなり歩くのが難しくなったりします。
もし、ご自身の膝に心当たりのある症状があれば、早めに専門医に相談することをおすすめします。早期に適切なケアを始めることで、症状の進行を遅らせたり、痛みを和らげたりすることが期待できます。
原因
主な原因は「関節軟骨の老化」
私たちの膝関節には、骨と骨の間にクッション材のような「関節軟骨」があります。これが年齢とともにだんだん弾力性を失い、使いすぎによってすり減ってしまうことが一番の原因です。すると、関節の形が少しずつ変わってきて、痛みが出てきます。
それ以外の原因も
- 肥満: 体重が増えると、膝への負担が大きくなり、軟骨のすり減りを早めてしまいます。
- 遺伝(体質): ご家族に同じような症状の方がいる場合、体質的にかかりやすい方もいます。
- 過去のケガ: 若い頃に骨折したり、じん帯や半月板を損傷したりした経験があると、その影響で将来的に変形性関節症になるリスクが高まります。
- 感染症の後に: 関節が細菌に感染する病気(化膿性関節炎など)にかかったことがある場合も、後遺症として発症することがあります。
膝の中で何が起こっているの?
本来、健康な関節軟骨は、何十年も使ってもスムーズに動くようにできています。関節を動かす時の摩擦を減らし、骨が直接ぶつからないように守ってくれているんです。
しかし、変形性関節症では、何らかの原因で軟骨が傷つき始めます。すると、体はその傷を治そうと頑張るのですが、その過程で少し困ったことが起こります。
傷ついた軟骨を修復しようとして、軟骨の成分であるコラーゲンやプロテオグリカンという物質が増えすぎたり、余分な水分がたまって軟骨が腫れて柔らかくなったりします。結果的に、軟骨の表面がデコボコになったり、ひび割れができたりして、クッションとしての役割を果たせなくなってしまうんです。
さらに、骨が関節の縁で過剰に増殖することがあり、関節の端に触れることができる「骨棘(こつきょく)」という骨の出っ張りができてしまうこともあります。
こうなると、関節がスムーズに動かなくなり、衝撃を吸収する機能も低下します。骨や関節を包む膜、腱、じん帯といった関節を構成する全ての部分に影響が出て、膝の機能がどんどん悪くなってしまう、というのが変形性関節症のメカニズムです。
どうすればいいのか?
体重を減らして筋肉をつけましょう!!
歩行時、膝には体重の約2倍もの負荷がかかると言われています。例えば、60kgの人なら120kgのストレスが膝に。
そのため、体重を減らすことは膝への負担軽減に直結します。しかし、それだけではありません。膝への負担を減らす鍵は「筋肉量」です。
同じ体重でも、筋肉が多い人は筋肉が体を支え、衝撃を吸収したり、ふらつきを抑えたりできます。一方、脂肪が多い人は支える力が弱く、軟骨や半月板にストレスがかかり、痛みがでやすい傾向に。
膝の健康のためには、単に痩せるだけでなく、適度な筋肉をつけることが非常に大切です。
下半身の筋肉量は、膝痛と深く関係しています。筋肉が多いと、平地歩行や階段の昇降、立ち上がり動作などで体が安定し、膝関節への負担を減らすことができます。
一方で、筋肉量が少ないと、体を支える力が弱まり、バランスも悪くなります。これにより、膝関節へ過剰なストレスがかかりやすくなります。
結果として、体重増加や筋力低下が重なると、膝の軟骨がすり減り、関節の隙間が狭くなることで痛みが引き起こされるのです。
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