高齢で肺炎になり、一カ月部屋から出られなかった女性。
『立ち上がる時に足が滑るんよ』
転倒して骨折し、3ヶ月ぶりに家に帰った男性。
『こけないようにマットを置いとるけど、杖でマットが動くんが危ないんよ』
全ての畳の部屋が危ないのではない
訪問リハに行った時に、畳ならではの転倒の危険性を感じることがあります。
畳の危険性として
- 畳の経年劣化で段差が生じることがあります。
- 湿気の多い日や、繰り返しの同部位への摩耗で、畳の表面が滑りやすくなります。
- 高齢者は加齢により汗腺が減り、皮膚が平坦化します。
畳では立ち上がる時に、裸足だとより滑りやすくなります。 - 床での生活を想定しているので、床に物が落ちていることが多い。
さらに、高齢なので床のものが掃除できない場合がある。
電動ベッドと畳
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高齢になると環境の変化に合わせることが難しくなります。
退院後も、住み慣れた自宅で、以前と同じように畳の部屋に敷布団で生活したいというご希望をお持ちの方は少なくありません。
そのような場合、電動ベッドを設置して、以前の生活に近い環境を整えることがあります。
しかしながら、大腿骨頚部骨折後に家で再転倒している人が32%いるとする報告もあります。
【引用】転倒による高齢大腿骨頚部骨折者の退院後の日常生活状況とQOL
転倒の理由は人それぞれ
転倒に関する報告結果は
『屋外』
『屋内』
『午前』
『午後』
『寝室』
など、報告者により様々です。
転倒に注意しているにもかかわらず、同じような状況下で転倒してしまう場合を実際に訪問している私も感じます。
つまり、
転倒予防には高齢者本人の環境は変えたくないという気持ちは理解できますが、
転倒予防のために最低限の変更を本人に納得してもらい、同じような状況をできる限り減らす工夫が必要ではないでしょうか。
畳での転倒を予防するには
- 経年劣化した畳の上には、滑り止めマットを設置する
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- 床のものを片付ける
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- 転倒した状況にならないように、寝室の場所を移動したり、住宅改修を行ったりと大きな変更を受け入れてもらう
まとめ
高齢になるにつれて、身体機能の低下は避けることができません。
できることなら、ずっと同じ環境で過ごしたいと思われるかもしれません。しかし、身体機能は年齢とともに変化するため、生活環境を調整していくことが大切です。
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