家で高齢の家族がいる場合の発熱の対処方法
「この発熱大丈夫?」微熱なので軽症という判断は危険な場合があります。
例えば、夜間に
体温37.5℃
血圧130/80mmhg
脈拍88回/分
SpO2 96%
呼吸音清明
痰がらみなし
解熱剤で一旦様子を見ました。
その後に高熱と呼吸苦で救急搬送、重症肺炎の診断で入院したケースがあります。
在宅では検査できない
呼吸数の確認
体は呼吸状態が悪くなると、呼吸数を増やすことで体内の酸素濃度を維持しようとします
バイタルサインが重要です
バイタルサインの正常値
脈拍:50〜60回/分 50回以下は徐脈 100回以上は頻脈
血圧:110〜130/60〜90mmHg
呼吸数:15〜20回
体温:脇の下で37℃以上(午前中は36.7℃、午後は37.2℃以上)
この正常値はあくまで目安です。普段のバイタルと比較してください。
危険な感染でないか、緊急性を確認
qSOFAスコア
qSOFA(クイック・セクエンシャル・オーガン・フェイルア・アセスメント)スコアは敗血症を疑うためのスクリーニングツールです。
敗血症は、「感染症に伴って起こる命の危険があるような臓器障害」のことです。
収縮期血圧:100mmHg以下
呼吸数:22回/分以上
意識レベル低下
感染症が疑われる患者で上の3項目中2項目もを満たすと重症感染症の可能性が高くなります。
熱が出た時に順番に確認してください
熱がある
qSOFAを確認
①収縮期血圧:100mmHg以下
②呼吸数:22回/分以上
③意識レベル低下
3項目中2項目以上で重症感染症の可能性が高い。
↓
さらに全身状態を念入りに観察する
経口摂取、排泄
日常生活動作の変化(失禁や転倒、ベッドから起きてこない、リハビリを嫌がるなど)
症状の経過
↓
熱源を探す
上気道炎(風邪)や胃腸炎など、ウィルス性の感染症
身近な人に同様の症状は無かったか?
↓
肺炎
呼吸数26回/分以上
咳・痰(ないこともある)
SpO2低下
↓
尿路感染
頻尿
尿の変化
腰背部殴打痛 尿道カテーテルの有無
↓
皮膚や筋肉の感染(蜂窩織炎など)
局所の発赤・腫脹・熱感・疼痛
褥瘡があれば周囲の発赤や痛みの増強を確認
↓
過去に繰り返したものは再発しやすい
↓
人工物の入っている箇所は、感染しやすい
尿道カテーテル
胆道カテーテル
↓
危険な感染を常に頭におく
訪問看護の方は医師に往診に来るまでに、できればしておきたいこと
検査・治療に関する「本人・家族の希望」の意向を確認
①患者の安楽な体勢を探す(枕・布団などのを使用、更衣の補助、排痰タッピング)
②指示があれば培養採取(尿・痰など)・採血など
③患者・家族の希望事項や不安の内容の聴取
④熱苦痛があればクーリング
まとめ
発熱についてまとめました。
家族から相談される内容でもあります。色んな人が知ることで重要な情報を見逃すことがなくなるといいですね。
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