しゃがむ動作は危ない‼︎

訪問看護

高齢になるとしゃがむ動作は危険な動作です。

しゃがむ動作は、股関節、膝関節、足関節を最大に曲げる動作です。

特に、足関節の可動域が少ない場合は、このしゃがむ動作ができず、踵が床から離れてしまうか、後ろに転がってしまいます。

しゃがむと良くない理由

 転倒

② 背骨の圧迫骨折

③ 膝の半月板を損傷

① ② ③はどれも発生後にも後遺症の可能性があり、老後の生活に大きな影響を与えます

① 高齢になると足の可動域が低下、または、筋力の衰え、さらに、バランス能力の低下のいずれかだけでしゃがんだ時に転倒してしまい骨折する可能性があります。

② 以前は若い人が高いところから落ちて臀部を強打することで生じていましたが、最近では高齢者が増え、骨粗鬆症のある背骨に問題が起こりやすくなっています。

多くは後ろに転倒して尻餅をついたときに発生します。

また、お米や布団などの重い物を持ったり、畑作業や草むしりなどを長時間行ったときにも起こることがあります。

③ 膝の半月板は膝の安定性を保ち、体重を均等に分散して軟骨を守る役割があります。損傷すると軟骨が傷みやすくなり、膝の変形が進む可能性があります。

しゃがんだときに膝の裏が痛む場合、筋肉の問題だけでなく半月板の損傷が考えられます。

しゃがむ動作は半月板に強い圧力がかかります。また、急な方向転換などで膝関節が捻られると、半月板への負担が大きくなり、損傷が悪化する恐れがあります。

ちょっと休憩。半月板損傷のチェック

歩き始めなど、動作の開始時に痛みを感じる

膝の痛みが運動や動作の後に強まる

膝に「ひっかかり感」や「ガクガクする感じ」を感じる

階段の昇り降りやしゃがむ際に膝の痛みが増す

膝が腫れたり、動かしにくい状態が続く

あぐらをかくと痛い

心当たりがある方はお近くの整形外科をお尋ねください。

しゃがまないとできない作業、それは畑作業

ということで、私の畑に収穫作業にやってきました。

早速ですが、この場所で安全なしゃがむ動作の検証と、その回数を減らす方法を検討します。

じゃがいもの生育は良好です!!

今年は暖冬と予想していましたので、マルチは張っておらず地面が露出しています。

マジックハンドでしゃがむ動作の代用は可能か?

検証①

ジャガイモ収穫のしゃがむ動作を減らすために、

ジャガイモの茎を持ってマジックハンドで引っこ抜けないかを試しました。

→マジックハンドは引っ張る力が弱く、全く役に立ちませんでした。

検証②

マジックハンドで草は抜けるのか?

→草抜きも失敗。

マジックハンドは失敗。それなら、しゃがむに代わる動作

と言うことで、マジックハンドのジャガイモ収穫は諦めて、掘っていきます。

ジャガイモを掘ります。

ジャガイモを傷つけないよう、株元から少し離した位置にスコップを差し込み、

株を持ち上げるように土を掘り上げます。 

その後は株元を手でやさしく掘り出します。

ジャガイモの掘り残しがある可能性もあるので、手で探って行きます。

しゃがんで作業を行いました。写真で見ても、股関節・膝関節・足関節が大きく曲がっていることがわかります。

『しゃがむ』から『膝立ち』へ

長時間のしゃがむ動作はリスクがあります。

つまり、両膝を地面につくしかありません。

『膝立ち』が関節の負担を大きく減らします

しかし、膝立ちは作業効率が落ち、収穫時間がかかります。

収穫時に安全な『膝立ち』か効率の良い『しゃがむ』どちらが良いでしょうか?

やはり、後遺症のリスクを考えるなら『膝立ち』一択です。

掘ったじゃがいもをコンテナに入れる作業です

今度は地面にあるジャガイモをコンテナに入れる作業です。

ジャガイモをコンテナに入れないと持って帰れません。

ジャガイモは地面に転がっているので、この時もしゃがむ動作が増加することが考えられます。

腰が痛くなるのでマジックハンドを使ってみた。

検証③

じゃがいもをコンテナに入れる時の『しゃがむ』動作を減らすには?
股関節・膝関節・足関節の関節を曲げない方法、
股関節・膝関節・足関節を軽く曲げる方法、
マジックハンドを使う方法。

→股関節・膝関節・足関節の関節を曲げない方法。
太ももの裏の筋肉が硬く、地面に届きません。できたとしても、腰を痛めそうです。

→股関節・膝関節・足関節を軽く曲げる方法。やはり、腰の負担はあります。

→ここでマジックハンドを使用。

マジックハンドは拾う動作に対して最も優れています

しかし、デメリットとして、

1回1回はそれほど疲れないのですが、連続すると手が疲れてきました。

その為、左手・右手と交互に使用し、両手の作業となりました。

拾う速さは、100個以上ジャガイモがありましたが、5分程度で拾うことができました。

マジックハンドで拾うのは、上記2つの拾う動作よりは遅くなると思いますが、それほど遅くもありません。

コンテナにジャガイモを全部入れました。

と言うわけで、今回の収穫量です。

コンテナ半分程度で、じゃがいもも大きく満足できる収穫でした。

畑作業で膝立ちなんてしてられるか!!という人へ

高齢になっても家庭菜園を楽しむ方は多くいらっしゃいます。自分で育てた作物を収穫する喜びは、大きなやりがいにもつながります。

しかし、その一方で畑作業によって関節を痛め、整形外科を受診する方も少なくありません。特に、収穫時期には受診患者が増える傾向が見られます。

その理由として、毎年収穫時期に同じ動作を繰り返すことで関節に負担がかかり、損傷が悪化する恐れがあるからです。

その結果、毎年同じ時期に病院で治療を受けるケースが多くなり、症状が慢性化するリスクも高まります。関節を守るためには、作業方法の工夫やサポートツールの活用が重要です。

つまり、関節を痛めないようにするには、

自分の衰えを認識し、いくら作業が遅くなっても、関節に負担のかからない動作を選択していかないといけないのです。

まとめ

しゃがむ動作は高齢になるとリスクがある。

しゃがむ動作をしないといけない時は『膝立ち』。

マジックハンドも使って、出来るだけしゃがむ回数を減らす。

そうすることで、高齢になっても畑作業が続けていくことができます。

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