この左の写真を見てください。本が積み重なっています。本はバラバラの大きさですが倒れたりはしていません。
右の写真の人の脊椎も左の写真と同じで下の脊椎の上に上の脊椎が積み重なり安定していることがわかります。
左右の写真を比較するとわかるように、脊椎は1つ不安定になると脊椎全体に影響が出ることがわかります。
しかしながら、背椎圧迫骨折後に変形して脊椎が不安定になってしまうことがあります。
脊柱が本のように不揃いになることはありませんが、この本が楔(くさび)のように変化してしまうとしたら、とても真っ直ぐ積み上げることができないことがよくわかると思います。
Googleで脊椎圧迫骨折を検索してみてください。
圧迫骨折の変形が良くわかります。
今回はそうならないようにする方法をお伝えします。
圧迫骨折は尻餅以外でもなる
すべって後ろにコケてお尻でなく腰が痛いと思ったら脊椎圧迫骨折です。
コケる以外にも、
①農作業をする際にハンマーで支柱を叩くと痛める場合
②お米や布団などの重いものを運んだ時
③長時間座って除草作業をしても痛める場合
このような場合に疑わしいのが『脊柱圧迫骨折』です。
圧迫骨折しやすい人
・高齢者
・閉経後の女性
・骨粗鬆症がある人
脊柱圧迫骨折の症状
- みぞおちの後ろにある背骨(胸椎と腰椎の境目)は骨折しやすい
- 痛みは骨盤付近の腰に感じる
- 寝た姿勢から起き上がろうとする瞬間に鋭い痛みが生じる
- 一度立ち上がれば痛みは軽減し、歩行も可能
- この痛みは「体動時腰痛」と呼ばれる
治し方
治療の基本は安静です。しっかりとしたコルセットを作る場合もあります。
骨折が治り始めるのは早い人でも受傷後2週間ほど。多くは3〜4週から骨が形成されます。
骨が形成されると、体動時腰痛が和らいできます。
骨が形成される前に体を動かし過ぎると体動時腰痛がより増してしまいます。
圧迫骨折をすると脊柱起立筋を鍛える
脊柱起立筋は圧迫骨折において、以下のような働きをしています。
- 姿勢維持のサポート:
脊柱起立筋は、背骨の自然なカーブを保ちながら、姿勢をまっすぐに保つ役割を果たしています。筋力が低下すると、背骨が安定せず、圧迫骨折が起きた場合に背骨がさらに後ろに曲がる(後弯)リスクが高まります。 - 圧迫骨折による姿勢変化:
圧迫骨折となり、さらに脊柱起立筋が弱くなっていると、立っているだけでも背骨は後弯しやすくなり、骨折した部分に余計な負荷がかかりやすくなります。 - 歩行時の負荷コントロール:
歩行時には体幹の推進力を支える役割もあり、脊柱起立筋が正常に機能していないと、体のブレーキ機構がうまく働かず、圧迫骨折した椎体にさらなる負荷がかかり、圧潰が進行します。
つまり、脊柱起立筋が弱いと圧迫骨折がさらに悪化しやすく、姿勢維持や動作時の負荷分散が困難になるのです。
リハビリ
リハビリは脊柱起立筋を鍛える方法を座ってする方法と寝たままする方法をお伝えします。
どちらも痛みがないことが前提です。前述した通り、痛みを我慢して動かすことで悪化する場合がありますので注意してください。
座ってする運動
脊柱を動かすと痛みが出やすいためこの写真のように両手を持ち上げる運動が脊柱起立筋のトレーニングになります。10回持ち上げることを2セット行います。
体をひねる・側屈させるストレッチも有効です。座ったままで5秒保持を5回行いましょう。
まだ動くと痛い場合は寝てする運動
【手の運動】
ペットボトルやダンベルを手で持って軽い負荷で行います。
5秒かけてゆっくり持ち上げ、5秒かけてゆっくり戻します。10~20回行います。
【足の運動】
寝ている時間が多くなる人は静脈血栓症になる可能性があります。
2秒に1回動かす程度のスピードでリズムよくつま先を上下に動かします。1度の回数は10~20回でよいが、痛みのない範囲で1~2時間ごとに行います。
脊柱圧迫骨折時の立ち上がり方
椅子から立ち上がる際に、体を前に倒そうとすると痛みが誘発されます。
そうならないために、足を前後方向に出します。
そうすることで体を前に倒すことなく立ち上がることができます。
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まとめ
尻餅をつくと背椎圧迫骨折になる。
圧迫骨折による後遺症には背骨の曲がり、ゆがみ(脊椎側弯症や脊椎後弯症など)になる可能性がある。
骨が形成される前に動くと余計に痛みが増える。そのため、安静期間はコルセットで患部を動かさないように保つ。
動けない場合は寝たままで運動を行う。
座れる場合は座って運動を行う。
圧迫骨折かなと思ったなら整形外科に診察に行ってください。
診察しないままで放っておいて後遺症に苦しまれる方が時々います。
医療と連携し、しっかり治療を行うことが重要です。
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