
熱中症は、スポーツ中はもちろん、農作業や仕事中、さらには家でくつろいでいる時でさえ、誰にでも起こりうる身近な危険です。
特に、高齢者の方は熱中症で救急搬送されるケースが多く、そのまま入院が必要になることもあります。
そこで、熱中症から身を守るための予防方法をまとめてみました。
熱中症とは
暑い環境に体がうまく対応できなくなることで起こります。体温を調整する機能がうまく働かなくなり、大量の汗をかくことで、体内の水分と塩分のバランスが崩れてしまうことが主な原因です。
熱中症は高齢者に多い
熱中症になる方のうち、半数以上が65歳以上の高齢者です。
高齢になると、暑さや喉の渇きを感じにくくなるため、気づかないうちに水分不足になりがちです。さらに、暑さに対する体の調整機能も低下しているため、熱中症のリスクが高まります。
令和6年の熱中症による搬送データ
総務省消防庁よると令和6年6月3日~6月9日までの全国の熱中症による救急搬送人員は、687人でした。
687人中358人(52.1%)が高齢者。
687人中189人(27.5%)が住居で発生しています。その期間に徳島では3人が搬送されています。
https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/post3.html
令和5年5月〜10月までの熱中症の救急搬送のデータ

去年の全国の緊急搬送データを見ると、7月下旬にかけて熱中症で搬送される方が増え、その後8月に入ると減少する傾向が見られました。
一方、令和5年の徳島県の平均気温は、6月が23.2度だったのに対し、7月には28.7度と大幅に上昇し、8月は29.2度でした。
この気温の変化と搬送データから考えると、
気温が大きく上昇する6月から7月下旬にかけては、特に体が暑さに慣れていないため、熱中症に厳重な注意が必要です。
どんな高齢者が危ないか
高齢になると、暑さを感じにくいため、夏場でも厚着をしてしまい、熱がこもって危険な状態になることがあります。
特定の服にこだわりがある方もいらっしゃるため、周りの方が注意深く見守る必要があります。
また、喉の渇きを感じにくいため、自分から水分を摂ろうとせず、気づかないうちに水分不足に陥ってしまうこともあります。
車椅子を利用する方は、地面からの照り返しで体温が上昇しやすいというリスクがあります。
さらに、使用できるトイレが限られることから、水分摂取をためらってしまう傾向があり、これも脱水につながる要因となります。
熱中症対策のアイテムまとめ
熱中症対策のアイテムについてまとめた記事です。
水分を別の方法で摂取する方法をお伝えします。
熱中症の症状
症状は(軽症・中等症・重症)の3段階に分かれており、段階に応じた対処が必要です。
初期症状

『めまい』
『立ちくらみ』
『手足の痺れ』
『筋肉のこむら返り』
『気分が悪い』
対処
涼しい場所に移動。
安静。
冷やした水分・塩分補給。
医療機関への受診
症状が改善すれば受診の必要なし
中等度症状

『頭痛』
『吐き気、吐いた』
『体がだるい』
『集中力や判断力の低下』
対処
涼しい場所へ移動。
安静。
衣服をゆるめ体を冷やす。
十分な水分と塩分の補給。
医療機関への受診
口から飲めない場合、
症状の改善が認められない場合は受診が必要。
重篤な症状

『意識がない』
『会話がおかしい』
『けいれん』
『歩けない』
『体が熱い』
処置
涼しい場所に移動。
安静。
衣類をゆるめ保冷剤などで冷やす。
経口補水液を摂取。
医療機関への受診
急いで救急車を要請。
熱中症にならないためには
熱中症の初期症状は、軽いめまいやだるさなど、
本人も気づかないほど軽微な場合があります。そのため、事前の予防が非常に重要になります。
熱中症予防のための水分摂取の目安として、一般的には2時間ごとにコップ1杯程度の水分を摂ることが推奨されています。しかし、クーラーの使用を控えたり、喉の渇きを感じにくい高齢者の方にとっては、この量を意識して摂ることは難しいかもしれません。
そこで、飲み物だけでなく、食事からも水分を補給することを意識してみましょう。例えば、以下のような食材を取り入れるのはいかがでしょうか。
- 水分を多く含む果物: スイカ、メロン、いちご、柑橘類などは水分が豊富で、美味しく水分補給ができます。
- デザート: ゼリーやヨーグルトは、水分が摂れるだけでなく、のど越しが良いので高齢者の方にもおすすめです。
- 野菜: トマトやキュウリ、レタスなども水分を多く含んでいます。サラダや和え物など、様々な料理に取り入れやすいでしょう。
- 食事: スープや味噌汁などの汁物は、水分と同時に塩分も補給できるため、熱中症予防に効果的です。ただし、塩分の摂りすぎには注意が必要です。
これらの食材を上手に取り入れることで、無理なく水分摂取量を増やすことができるのではないでしょうか。熱中症は最悪、死に至ります。
予防は必要ですが、いろいろな工夫で楽しく暑さに適応できるようにしていきたいですね。
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