一般的には 「冷え性は女性に多い」 とよく言われています。
冷え性は医学的な“病名”ではなく自覚症状のため、正確な統計は国や調査によって異なります。
冬に手が冷たいと色々なことに支障がででてくるものです。
冷え性の原因について調査し、アプローチを考えてみました。
手の冷感がある人が特に不便を感じたり、痛みを覚えたりする場面の例
• 冷たい水に触れる皿洗いや手洗いの際に、急激な血管の収縮が起こりやすく、強い痛みや痺れを感じます。
• 冷蔵・冷凍庫での作業:スーパーや家庭で、冷蔵庫や冷凍庫から物を出し入れする短時間でも、指先が急速に冷えて痛みを感じることがあります。
• 冬場の屋外で、手袋をしていてもスマートフォンを操作する際や、小銭を扱う際など、指先を露出させるとすぐに冷感が増し、動作が鈍くなります。
• 細かい作業:血行が悪化し、指先が冷え切ると、感覚が鈍くなったり、関節がこわばったりするため、裁縫、キーボードのタイピング、箸を使うなどの細かい動作が困難になります。
このように、手の冷感は生活のあらゆる場面に影響を及ぼします。
女性に多いとされる主な理由
筋肉量が男性より少ない → 筋肉は熱を作るため、筋肉量が少ないと体が冷えやすい。
ホルモンバランスの変動(月経・妊娠・更年期など) → 自律神経に影響し、血流が滞りやすくなる。
血圧が低めの人が多い傾向 → 手足への血流が弱くなりやすい。
体脂肪はあるが“熱を作る器官”ではない → 見た目以上に体の中が冷えやすい。
「冷え性が女性に多い」という記述の根拠となる主な調査・資料
サーモス株式会社による「20代以上の男女1,212名を対象に『冷え・冷え性に関する調査』」では、30〜50代女性の70%が「自身が冷え性だと自覚」しており、男性に比べ女性の自覚率が明らかに高いという結果が出ています。
オムロン ヘルスケア株式会社の解説記事によれば、ある調査で「女性で66.6%、男性で43.2%が“冷え性だと感じる”」というデータが示されており、男女差が確認されています。
これらのデータから、「女性の方が冷え性(あるいは体が冷えを感じやすい)という自覚を持つ割合が高い」という傾向が裏付けられています。
手を温めなくても⁉ 冷え性対策の新しい発想
手を温めるには手にカイロを持つ必要がありますが、ずっと持っているわけにはいきません。しかしながら、手首には指に流れる血管があります。すなわち、手首の血管を温めることで指まで温まるのでは?
そこで、こんな商品がありました。

これはセリアで販売しているリストバンドポーチです。
お店でどこに置いてあるのか分からず、かなり探しました。私が探したお店では、結局ポーチのエリアに。
インターネットで調べてみると、アウトドアコーナーに置いてあったと報告があります。
色はグレーとホワイトの2色展開。


サイズは縦9cm✖️横8cm。

チャックの大きさは6cm。



こちらのカイロがリストバンドポーチに入れることが果たしてできるのか不安でしたが、このサイズ差があっても収まりました。
実際10分温めてみると、指先の温度は変わりませんが、温まったような気がしました。
しかしながら、ずっと使っているとこのカイロはかなり高温になるため低温火傷の危険があるのでそこまで温度が上がらないカイロを使用する必要がありそうです。
同じような研究があるのでは?
調べてみるとありました。以下研究では首や肘にカイロを使用した報告でした。
“冷え”に悩む人の多さとカイロの不便さ
- 冷え性(手や足の先が冷たく感じる、いわゆる「冷え」)で悩む人は多く、寒い季節だけでなく、普段の生活の質にも影響がおよぶことがある。
- 一般的には「手や足先をカイロで温める」対策がとられるが、手先を使う作業中は使いにくい、支障があるという不便さがある。
- そこでこの研究では「手以外の部位を温めたら手の冷えが和らぐか?」という新しい可能性を検証。
研究の方法
- 対象は「手の冷えを自覚するが、明らかな血管異常などの病気はない健康な成人」30名。
- 温める部位は「後ろ首(頸部)」「肘の辺り」「手首」の3か所。
- 18人がそれぞれ1週間ずつ、順番を変えて3部位を使い捨てカイロで温める “ローテーション加温” を実施。残りの人は「カイロなし。ホルダーだけ装着」して “温めなし” の条件を比較。
- 毎日「手の冷え感」を10 cmの Visual Analog Scale (VAS) で自己評価し、さらに加温後に「手の表面温度」と「血流量」をサーモグラフィーとレーザースペックル法 (LASCA) で測定。
- 加温による不快さ・日常生活への支障についても同時に聞き取り。
結果 “手を温めなくても冷え感は改善”
- 「後ろ首(頸部)」と「肘」の部位をカイロで温めていた期間に、手の冷え感(VAS)で有意な改善が見られた。
- 一方、「手首」を温めた期間では、このような改善は有意ではなかった。
- 加温の“煩わしさ”については、どの部位でも「日常生活に大きな支障」は報告されなかった — 手を直接温めるより、生活の妨げになりにくい可能性。
- ただし、加温後に行った「手の表面温度」「血流量」の測定では、明確な上昇は確認されなかった(むしろ、肘加温後は指の表面温度がわずかに下がる傾向すらあった)。
著者らの結論と“注意点”
- この研究は、「手を温めなくても、他の部位(頸部・肘)を温めるだけで手の冷え感に対する改善効果が得られる可能性がある」ことを示しており、冷え性対策の新しい選択肢になりうる。
- しかし、客観的な温度や血流の改善は確認されておらず、「なぜ冷え感が改善したか」は明らかでない。心理的な安心感、末梢以外の血管や体全体の循環変化など、今後の研究で検証が必要。
- また、対象は「健康な、軽めの冷えを感じる人」で、重度の冷え性の人や血行障害がある人では結果が異なる可能性がある。サンプル数も少なめ (n=30) のため、一般化するには慎重を要する。
おすすめな人
- 手を使う作業が多く、手にカイロを貼ると不便になる人
- 手足先の冷え感はあるけど、重症というほどではない人
- 手軽に「冷え対策を試してみたい」と思っている人
注意したい人
- 「手の冷え=血行不良や血管障害がある」と言われている人(またはその疑いがある人)
- 手の温度・血流など「冷えの改善を体の内側から確認したい」人
- 重度の冷え性、あるいは持病がある人
カイロを使用するには低温火傷に注意が必要。
低温火傷(ていおんやけど)は、熱湯や火による通常の火傷と違い、「体温より少し高い温度(44℃〜50℃程度)」のものに長時間触れ続けることで起こる火傷です。
気付かないうちに皮膚の奥深くまで損傷が進んでしまうことが多いため、非常に注意が必要です。
- 44℃: 3〜4時間
- 46℃: 30分〜1時間
- 50℃: 2〜3分 これだけの時間触れ続けると、低温火傷になります。
必ず注意して使用してください。

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